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晴皓氏

臼井 「一口にお菓子と言っても、和菓子や洋菓子があって、さらにその中でも細かく分化していますよね。で、今の日本では、それらを作るのに自社でラインを作って商品を製造するということはなかなか難しい。苦しさもあると思うんですが、その辺りはどのようにお考えですか?」
河越「僕はね、それが楽しくてしょうがない。アイデアがどんどん出てきちゃう。メーカーならではの楽しさだと思ってます。」
臼井「新しい商品作りは、専門の部署があると思うんですが、社長のお考えはどの程度反映されているんでしょうか?」
河越「うちはね、全方位なんですよ。僕の意見が反映されることもあるし、営業の人間の意見が反映されることもある、同様に、販売も、企画も、時には外部の人間の意見も取り入れたり。そう意味では、全員が開発者と言えますね。開発はメーカーの命ですからね。」
臼井「なるほど、製品開発がマンネリ化してきて、単純なラインに乗っちゃうと致命傷になりますもんね。」
河越「そうそう。だからね、僕はよ〜くお菓子食べるんですよ。」
臼井「太ったりやせたりって言うのはその辺りに理由が…?」
河越「今ね、絶対太らない新しい方法を試そうかと思って(笑)。あと、商品開発で大事なことで言えば、コラボレーションと通信販売だと思ってるんです。通信販売は去年でようやく5億5000万円、その前が1億ちょっと。近々の計画ではこれを100億規模にしようと思ってます。うちは地域に根ざした店舗を持っていて、基本的には地域限定なんです。なんですが、通販なら買える。だから、リアルな店舗でお買い物をしたお客様が、今度は通販のバーチャルな店舗でお買い物をする、リアル
→ バーチャルですね。当然逆のバーチャル → リアルもある、バーチャル → バーチャル、リアル → リアルもある。そこへモバイルのネットワークや動画配信などの比較的新しいコンテンツも取り入れての5本柱で考えています。莫大な宣伝広告費を使って通販の売り上げを上げるのではなくてね。」
臼井「そう、宣伝広告は費用が莫大になりますからね。うちもすぱっとやめたんです。」
河越「あと、コラボレーションってのは、まずは当然社内でのコラボレーション。それから、小売店さんとのコラボレーション。これは単にクライアントと下請けという関係ではなくて、ダブルネームで商品を売っていくということですね。うちのブランド力+小売店さんのブランド力でパワーアップを狙う。」
臼井「それは小売店さんも喜びますね。お互いに得のある話だし。」
河越「あとは原料メーカー。美と健康ってのは10年くらい前から言われ始めたテーマだけど、今もやっぱり一番のテーマだし、今はもっとそれが進んできている。」
臼井「永遠のテーマですよね。」
河越「それでどんどんマーケットが膨らんできているから、うちもそれを目指してやっていこうと。」
臼井「美と健康に関して言えば、例えば、何歳で自分の歯が何本とか、何歳でこれくらいのスタイルとか、明確なイメージがそれぞれにあって、そのためにはどうすればいいかってはっきりしてるんですよね。より明確になってきているので、仕事としてはやりやすいですよね。」
河越「具体的には、基礎研究をやっているメーカー、ブランド価値のある会社、地域文化や活動とのコラボレーションを目指しています。それを成長の源泉にして行こうと。」
臼井「なるほど。」
河越「美と健康、ブランド力アップ、熱狂的なファン創り、ツイてる思想、未来力、通信販売とコラボレーション、これが僕の経営曼荼羅(まんだら)図なんですね。」
臼井「経営曼荼羅図! 河越社長のお考えが、ここに集約されてますよね。」
河越「漠然と、新入社員1人にいくらかかりますか?と聞かれたらどう答えます?」
臼井「漠然と…。社員ということなら30万円でしょうか?」
河越「僕はね、3億円なんですよ、生涯だからね。今年は70人入れたから、210億円。だから、『お前ら、210億はやるから、420億は稼げよ』って言ってるんですよ(笑)」
臼井「1ヵ月じゃないんですか(笑)」
河越「5億円にしたいね、なんて言ってるんですよ、みんなで。じゃあ、みんな10億稼げよ、なんて。」
臼井「繰り返しになりますけど、自分がそれだけ期待されているんだ、自分の価値はそんなにあるんだって、実感できますよね。」
河越「少々の研修代金や、宴会したりなんて、安いもんですよ。そのかわり、お前ら稼げよってハッパかけて(笑)」
臼井「でも、それが妙に伝わるんですよね。どれだけ頼りにされているか、自分がどれだけ稼げるのか、どれだけ社会貢献できるかがリアルにわかって。」
河越「うちの会社はね、まだ入社してない内定者を一年間びっちり教育するんです。内定出してから1週間以内に焼き肉食いに行ったりして。まずはツイてる思想を教え込んで、仲間意識を作り上げるところから。ツイてる思想を取り入れることでどんないいことがあったか、についてレポートも書かせたりして。そんな感じで入社までびっちり教育するんです。で、いざ入社したら『さあ、稼げよ』と。」
臼井「その時点ではピンとこないですよね。」
河越「そう。『仕事はどうするんですか』と聞いてくるから、『それは自分で創ってこい』と。入社まで一年もいろいろ教えてやったんだから、自分で作ってこい、ってね。それくらい期待して入れるんですよね、社員は。そのかわり、君に3億あげるよ、と。」
臼井「え、3億も?って感じですよね。」
河越「『企業は、人なり』と言うけど、ほんとその通りですよね。今の従業員たちが稼ぐ金額を考えると、恐ろしいものがあるな、と。」
臼井「それを思うと、みんなの動きを想像すると楽しいですよね。お金もそうだけど、みんなが働いている未来の姿がね。」
河越「そうそう。だから、僕は変な奴しか入れないんですよ(笑)。一目見たらわかるし。よくほら、面接だけで2次3次、中には4次5次までやる会社あるでしょ? そんなの日が暮れちゃうって。」
臼井「日が暮れるのは5時ですね(笑)」
河越「ははは。でもね、ほんと一目見たらわかりますよ。いろいろ話は聞くけど、一発見て決めてるんです。試験を何回もやって何をやってるかって言うと、悪いのを切っていってるんですよね。僕は数を重ねずにいいのを残してるんですよ。よその会社だと落ちる奴ばっかりかもしれないけど、図抜けた長所を持ってる奴を集めてる。マイナスを見ないで、図抜けた長所だけに注目して。面接でも『それだけを出せ』と。で、悪いところは自分で認識して人に言っときなさい、とね。その方が楽だから。」
臼井「欠点をさらけ出す人って、すごく魅力的ですよね。」
河越「はは、僕もね、人の話を聞かないんですよ(笑)。で、それをお互いに認識して努力していけば、ちょっとずつよくなっていく。けどそんなことはどうでもよくて、長所を伸ばしなさい、と。それがかけ算になった時のチーム力はすごいぞ、というのが僕の考え方なんです。」
臼井「なるほど、納得ですね。」
臼井「ちょっと視点を変えて、プライベートなことをお聞かせください。マイブームは何ですか?」
河越「うーん、2カ月で10kgやせました。」
臼井「玄米ごはんですか?」
河越「いえ、『骨盤前出し歩き』です。骨盤を前に出して歩くっていう。それを1カ月半やって10kg減。それと、ぎりぎり危なかったんで、酒と肉と魚と卵をやめたんです。」
臼井「タンパク質ですね。」
河越「で、納豆ばっかり食べてました。魚はちょっとだけ食べたかな。お酒飲まなかったら大丈夫なんですよね。」
臼井「お酒はお強いんですか?」
河越「いえいえ、弱いんですが、好きなんです。ちょっと飲んだだけでハイテンションになっちゃって(笑)」
臼井「甘いものはお好きなんですか?」
河越「大好きで、めちゃくちゃ食べます。」
臼井「研究もありますもんね。じゃあ、お酒をやめて、油っぽいものを避けて…」
河越「お菓子をちょっとにして。」
臼井「健康法に凝る方ですか? いろいろ調べたりとか、人が『これがいい』って言えば取り入れたりとか。」
河越「『すがれ』って言われればすがってみたり(笑)。まあ、マイブームって意味では、『骨盤前出し歩き』と、『ツイてる』を朝晩100回かな。」
臼井「河越社長ご自身が、ツイてる人を具現化してますもんね。ツイてるシールが全身に貼ってあるんじゃないか、ってくらい(笑)」
河越「ありがとうございます、ツイてます。」
臼井「これまでに影響を受けた本や言葉など、あれば教えてください。」
河越「僕はやっぱり『ツイてる』。」
臼井「ツイてる(笑)。」
河越「自分が一番好きですからね、困ったもんですね。好きな人はいっぱいいるんですよ。でも、やっぱり自分が一番好き。」
臼井「自分を好きにならないと、何も始まりませんもんね。それは別にナルシストになってるという意味ではなくて、心地いい環境を自分で作って、それをみんなにも影響させてるってことなんですよね。」
河越「シールにもありますけど、『ツイてますか? ツイてます!』ってのは深いんですよ。人との会話はこれで行こうと思って。」
臼井「わかります。私もね、『元気ですか? 元気です!』って、人との会話はそうやってテンションを上げる形で始めたい人なんです。」
河越「うんうん。僕もね、説明会やなんかの時は『ツイてる音頭』から始めます。みんな引くんですけどね、笑わなきゃいけないんだって思うまで歌い続ける。で、歌が終わったら『ツイてますか?』と。最初はやっぱり反応がない。けど、繰り返しているうちに、『ツイてます!』って答えるようになる。『電気が?』って聞くと『ツイます!』なんて。無理矢理かもしれないけど、テンション上げていってるんですよ。」
臼井「なるほど。」
河越「昨日の朝ね、ホテルのエレベーターに閉じ込められたんですよ。」
臼井「え?」
河越「停電で。真っ暗な中にしばらく閉じ込められました。ようやく外に出ることができて、食堂に行ったんですが、うちの社員とよその社員の方を含めて20〜30人いたかな。そこで『電気が?』って大きな声で言ったら、全員が『ツイてます!』って(笑)。昨日は非常にいい朝を迎えましたね。」
臼井「なんでも、そうやって考え方ひとつなんですよね。私ね、今年48歳なんです。なので河越社長の方がお若いんですけど、熱狂的なものを作るツボを知っているという意味では先生ですね、ほんとに。」
河越「いえいえ、臼井さんのように講演活動で多くの人に感動を与えたり、前に向けていくというのは本当にすばらしい仕事ですよ。」
臼井「人様に少なからず影響を与える仕事をさせていただいている以上は、自分がいつも元気で、そしてもちろんツイてて、自分が幸せで自分が大好きでいかないと、人も納得しないし。」
河越「自分が好きな人でないと、人を好きになれませんもんね。」
臼井「そう、人を知ろうなんておこがましいことできませんしね。私も自分を上げていく修行中で、100のうちの1くらいまでしがまだ到達してませんね。」
河越「お互いがんばりましょう(笑)」
臼井「さて、お話は尽きないんですが、そろそろお時間が来てしまいました。今回は寿製菓株式会社の“ツイてる”河越晴皓社長をお迎えしました。ありがとうございました。」
河越「ありがとうございました。」
臼井「ちなみに。弊社は磁気治療具のメーカーなんですが、製品には磁石がツイてるんです。これをツけると、ツいた部位の血行が促進されて健康になれるんです。今日はこれをお土産に差し上げたいと思います。」
河越「ははは、ありがとうございます。ツイてます(笑)」
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